2019年5月10日金曜日

ミシェル・クーヴレー ベリーシェリード 31年


VERY SHERRIED 'SINGLE-SINGLE' 1967 31Yo Sherry Cask
88点

ダークチョコ、熟したベリー、梨、ナッツ、複雑で強い香味
とにかく甘く、余韻も長く続く


平成の最後の日、4月30日もバーで飲んでいました。
せっかくだから平成の終わりを祝した一杯が欲しいとリクエストして出たのがこちら。ミシェル・クーヴレーの31年です。

ミシェル・クーヴレーと言えば、ウイスキーが好きで色々な銘柄を漁っていたら、恐らく一度はひっかかるであろう独立系ボトラーズの一つだと思います。ワイン商として名を馳せたクーヴレーはウイスキーにも興味を持ち、「ウイスキーの品質の95%は熟成で決まる」と言う信念の下、自身の強力なコネクションで有名な樽業者から良質な樽を買い付け、スコットランドで買い付けた原酒をフランスのブルゴーニュにある自分の専用カーヴ(地下室)で熟成させて売りに出す、と言うスタンスで販売しています。

樽こそが品質を決めると言う信念なので、あえて蒸留所の名前は書かれていない所もユニークですね。他にも古代種の大麦から作った商品など色々とマニアックなアイデアで商品を出していますが、割りと評価にムラがある印象です。なので、あまり手を出していなかったのですが、マスターから「うちにあるクーヴレーで一番美味い」とお墨付きを頂いたので飲ませていただく事に。

一番と言われるだけあって滅茶苦茶美味い。思わず言葉を無くすほどに香りも強烈で、とにかくシェリーが濃い。濃すぎてシェリーの感覚がつかめないほど。ここまで度が過ぎた代物も中々無いと思います。実際に、ミシェル・クーヴレーのベリーシェリードは1stフィルのシェリー樽で熟成させた後、さらにもう一度別の1stフィルのシェリー樽で熟成させるという如何にもクーヴレーらしいウイスキーオタクしか思いつかないようなマニアックな手法で作られている代物だそうで、その辺もこの強烈な甘さを作っている要因なのでしょう。

原酒は非公開との事ですが、海外のウイスキーファン達の調査の結果では、この1967はローランドの閉鎖蒸留所、インバーリーヴンの原酒でほぼ確定なのだそう。もう二度と作られない貴重な一杯は二度と来ない平成という時代の幕引きにふさわしい一杯でした(’ー’

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