祖母方に連絡して、同居の叔母から宿泊OKとの話を聞いたのでいそいそと準備をしつつ、せっかく遠出するのなら、田舎の酒屋をめぐって埋もれたオールドウィスキーを探してみようという事に。
行ってみて気付いたのですが、年末って結構酒屋が開いているものなんですね。
年の瀬だから期待はしていなかったのですが、家族が家に集まって宴会といった形になるからか、そういう需要を見込んで店を開けているのかもしれません。
そんなこんなで車で高速を3時間ほど移動して、下道に出てきたら大きな町に出て、片っ端から酒屋を探します。iPhoneのSiriに「近くの酒屋を教えて」と聞くとズラッと出てきます。それを片っ端からしらみつぶしに探します。ナビも出来るから楽チンですね:)
そうやって今までも行く先々で色々な酒屋、スーパー、個人商店等を回ってきましたが、大体パターンがあります。店がいまでも存続していて、かつ古いボトルが置いているとなると、「洋酒以外で利益が出せる」かつ「在庫の管理がされていない」という条件が必要です。
例えば、私ではないのですがマッカランの旧ボトルを半年ほど前に購入出来た人がいたという話を人伝で聞き、件の店に行ってみたら田舎の個人スーパーでした。地元の人達しかいない細々としたスーパーで、ウィスキーは埃を被っているものの、他の生鮮食料品などで売り上げが出ているのでしょうね。商品管理はされていないが店が存続できる条件はある、と言う典型的なケースです。
他にも「日本酒が強い酒屋だが、バブルの時代に客に頼まれて仕入れたウィスキーが売れ残っていた酒屋」とかも「洋酒以外で利益が出せる」という条件でした。また、個人商店で、「いつ閉めても良いのだが、ご近所付き合いとして開けている」…みたいなケースも。そういったケースでは、以前は新興住宅だったようなやや人口が密集しているような場所などが多い印象ですね。
ともかく、そういった条件が整っていれば、場合によっては特級時代(89年以前)のボトルが見つかる事もありますが、そこでもまた価格交渉と言う関門を超える必要があります。大抵、商売っ気があるのかないのか過去の値段で売ろうとするか、言い値か安値で譲ってくれる場合のどちらかです。
前者の場合はもう、すんなり諦めますw
例えばベルの陶器デキャンターが2万円、ニッカのキングスランド入りポットスチルケースが25000円だとか言われたこともありますが、さすがに食指が動きません。仮に半値で良いと言われても、オークションなら半値どころか10分の一だったりすることもありますから、「ヤフオクなら2000円ですけど?」だなんてさすがに言いづらいですし…w
特級時代、つまり酒税法が改定される以前は洋酒には二重課税に当たるような重税がかかっていたので、どの洋酒も滅茶苦茶高かったんですよね。それでも売れる良い時代だったのでしょうけど、その時代の仕入れ値をどうしても考えてしまうのでしょうね。
色々な条件をかいくぐって、後者のケースにめぐり合えてようやく価格交渉となります。
私は個人で飲む為に買うのと、あまり買い叩くのが上手ではないので、オークション価格を基準に交渉するのですが、人によってはバンバン安値で買う人もいるそうですね:)
ここまで至るのに50軒当たって1軒当たれば良い方でしょうか。そういうレベルなので酒屋めぐりは現状では完全に趣味の話になります。でも思わぬ出会いがあったりもするので楽しいんですよね。今回もそういう出会いがありました。
さてさて、最初の街についてSiriで酒屋を探してウロウロしていたら結構特級ボトルは見つかったのですが、LOGANのようなあまり要らないボトルとか、高値提示、面倒くさいから売らないといった感じで収穫無し。特級G&Gもあって、飲んだ事が無かったのでちょっと頑張って食い下がってみましたがダメでした(´・ω・`)
昼食を取って、フラフラ歩くと業務用スーパーを見つけたので入って見てみると・・・

響17年が1万円とはお安い。旧価格ですね('ー'*
http://www.suntory.co.jp/news/2014/12234.html
ストックの響12年がもう無くなりそうだから近いうちに買い足そうかと思っていたけど、この際17年を買うのも悪くないかなとゲット。本当は12年の後はインペリアルをオークションで、と思っていましたが、この価格ならこっちを買っても問題無いでしょう。
その後もウロウロ回りましたが、特にめぼしい戦利品は無かったのでその日は終了。祖母宅に向かい、親戚同士の旧交を温めてきました:) 祖母は相変わらず自分の事を覚えていませんでしたがw
さて、翌日の大晦日31日。
別の親戚の所に挨拶しに行く事になり、叔母を乗せて向かう途中で開いている酒屋を発見。早速入ると日本酒メインの酒屋さん。ウィスキーのコーナーでは旧ラベルのローゼスブラックや90年代以降のオールドパーなど…。そこそこ古い品ぞろえだけどイマイチ欲しい銘柄が無いな…と、とりあえずダメ元で店主に「古いウィスキーが好きなんですが、何か残って無いですか?」と聞くと「一本高いのならあるんだけど」と思わぬ反応が。
酒好きである店主は20年程前にハマっていたバーボンがあったそうで、しょっちゅうそれを取り寄せては飲んでいたのだそう。ただ、経緯は忘れたが表のラベルが剥がれているから売り物には出来なかった、と言う代物で一本だけ残っていたのだという。残ったラベルから、「ノワーズミル15年」、「度数は114プルーフ」だという事が判明。


バーボンは詳しくないから正直銘柄に自信は無いのですが、どこかで見た事もあるような…?ただ、少なくとも自分の近所の酒屋などではおいてない銘柄です。大体覚えていますからね。
「売値は11000円だけど、7000円で良いよ」との事。
旅程の都合上、店に戻ってくることは無いのでここで買うかどうか決めなければいけません。叔母が早く行きたいと急かすので、ちんたら検索する暇もなく即断即決しなければいけない流れに…(`・ω・´;)
少し悩みましたが、「店主が酒好きで自分で取り寄せていた」と言う点を信用して買う事にしました。今までの経験上、このポイントで外したことが無いんですよね。酒屋の店主が酒好きという点はそれだけでかなり高評価です。売れる物を知っているだけだと言う店主と、酒が好きで自分の好みで取り揃える店主とでは、品揃えの傾向から変わりますしね。さらにハイプルーフで15年熟成なら、値段はともかく美味い可能性は十分にある、と言う判断も後押ししました。
実際に、買った後に調べてみたら、この15年物は終売品で当時の希望小売価格は1万円、当時米国の大会で世界一になった美味いと評判だった有名なバーボンだという事が判明したので結果オーライです:)
良い買い物が出来たところで急いで親戚宅へ。用事を済ませて、叔母を送り届けたら帰宅する事に。ただ、せっかくだから今夜中に戻れれば良いや、という事で高速ではなく下道から店を探しながら帰る事にしました。
色々回りながら行きましたが、やはり中々収穫は無し。下道なので山越えも多く、そうこうしている内に日も暮れたので帰路を急いでいると、山間の温泉街を発見。「年末を温泉街で過ごす人の為に酒屋が開いているかもしれない」と思いつき、近くに幾つか温泉街がある事を調べ、それらに寄りながら帰る事にしました。
その中の一つで、見るからに洋酒を取り扱っている店を見つけ突撃。
パッと見て「これはいけるかも」と感じて、店主に「古いウィスキーが好きなのですが、何かありませんか?」と聞くと「半年くらい前に君のような人が来てごっそり買っていったんだよね」と。
もうショックでしたね。こんな感じでしたw →Σ(゚д゚lll)
と言うのも、その温泉街は本当に人里離れていて、高速道路などからでも簡単に来れるような場所じゃなかったんですよね。今まで何度も「君みたいな人が買っていったよ」とは聞かされましたが、まさかこんな山間の人里離れた温泉街にまで買い付けに来る先人がいたとは…w
それじゃもう残って無いんですよね…と言うと、高いのはこれしかないねぇ…と出てきたのが響12年。1本6500円だという。2本ありました。
昨日、17年買ったばかりなんだけどなぁ…と思いつつも、6500円は悪くない価格('-'
響は今中々入手できないからオークションなんかでも値段が吊り上がってしまってるんですよね。とはいえ、昨日17年買ったばかりだし…と、買うべきか悩みましたが、結局一本だけ買っておきました。まぁ、響12年は好きなんで、ゆっくり消化すればいいかなぁと…w 最悪売っても良いですしね。
そのあとも色々回りましたが、収穫無しで家に戻ってきました。
色々回ってみて思うのは、個人で酒屋めぐりをして良い出会いが出来る可能性はもう低いという事です。先人からかなり買われてしまっているからですね。ただ、それでも面白いのでついつい覗いてしまいます。多分これからも続ける事でしょう。そんな感じの年末でした。
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