2017年1月26日木曜日

キングスランサム12年


King's Ransom 12yo
70点→80点

トップノートは芳醇なシェリーの香りがして素晴らしい。ただ、味は少し特徴的で、バニラ、高菜漬け、古本のような?古家のような?何とも言いづらい古びていて重厚な印象の風味。とてもオイリーで滑らかな舌触り。

「王様の身代金」と言う名前のウィスキー。
割と有名なオールドボトルで、漫画「レモンハート」でも紹介された事がある代物です。

英国上院議会の為に作られた「ハウス・オブ・ローズ」というウィスキーで高いブレンド技術で名を馳せ、「スコッチの司祭」と呼ばれたウィリアム・ホワイトリーがブレンドしたウィスキーです。齢70歳を超えて、ウィスキーを詰めた樽を船で世界一周させる事で熟成させるというアイデアを手掛けるとは中々にエネルギッシュな人だったのでしょうね:)


ちゃんと”ROUND THE WORLD”と書かれているのが面白いです。
ウィリアム・ホワイトリーはエドラダワーの風味に感銘を受け、エドラダワーの原酒にこだわっていたそうです。1925年にエドラダワー蒸留所を買収(原酒を供給する契約だけだという話も)してからというものの、主力商品にはエドラダワーを推していたようで、このお酒にもハウス・オブ・ローズにもエドラダワーの原酒が使われているそうです。

また、1945年の第二次世界大戦の戦後処理の為、ポツダム会議の晩餐会の折にただ一つだけ選ばれたウィスキーがこのキングスランサムで、戦後処理の場で「王様の身代金」と言うのは何とも皮肉を込めた話ですね。

そんな様々な歴史を感じさせられるキングスランサムですが、入手難易度はやや高めでオークションでも割高になりやすい傾向があります。自分は結局バーでいただきました。開栓直後の感想なので、時間が経ったらまた風味が変わるのでしょうね。

今回私が頂いたのはとても良いシェリーの香りがする代物でしたが、エドラダワーは一時期特徴的なパフューム香が出ていたものがあり、キングスランサムにもその原酒を使っていた時期が重なる物もあるそうで、中には結構なパヒューム香がするものもあるのだそうです。

私はまだいわゆる「パヒューム香が強い」と言われるものを飲んだことは無いのですが、80年代のボウモア、エドラダワー、オーヘントッシャンに見られる傾向らしいですね。グレンギリーにも若干みられるとの話です。いつか機会を作って飲んでみたいですね。


追記:2017.10.03
80点
ナッツ、チョコ、シェリー感は強過ぎない
麦感、華やかさ爆発、渋みは濃い目。後は引かない。

改めて飲んでみました。
開封直後では分からなかったテクスチャの広がりがハッキリ感じられてお世辞なしに美味しいです。
ここまで変化するとは驚きですが、開封して時間を置くと美味しくなる・・・と言う話をしっかり体感出来ました:)

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