2017年6月25日日曜日

ウィスキートーク2017

福岡でのウィスキーイベントといえばやはりウィスキートークです。
今年も例年通り開催され、参加してきたのでその時の事をツラツラと。


ウィスキートークは九州のバーを中心とした有志の方々が運営されているウィスキーイベントで、毎年様々なメーカーやインポーターの方が出展しているイベントです。ウィスキーに興味を持ったばかりの方から、マニアックな方まで色々な方が楽しめるような内容になっています。

開場は12時なので10分ほど前に行くと既に行列が出来ていました。今年も参加者は結構多いみたいです。時間が早めのセミナーを受ける方は最初に受付をして参加証を貰う必要があるので心持ち早めに行くと良いかもしれません。

今までは会場の電気ビル3階と4階のうち、本会場が4階・セミナーが3階だったのが、今年からは3階にマニア向けと言う事でインポーター専用ブースが出来ていました。さっそくそちらを回ってみることに。

ネット通販でボトルを買う人の中にはお世話になっている方もいるかもしれない、酒のキンコーさんのブース。こちらのオリジナルボトルは評判が良く、大体ネット通販のみなのですが、すぐに完売って流れなので今までバーでしか飲んだことありません。

無料試飲のみですが、ラインナップもメジャーなところから少し変わったところまで。ウィームスのブレンデッドモルト3種類は面白そうでした。ただ、去年みたいに気になったのを片っ端から飲んで速攻グロッキーにならないように、今年は飲みたい物以外は基本飲まないという方針だったので見るだけ。もっと強かったらガンガンいきたいのですが・・・('-';

お次はボン洋酒店のブースへ。
ボン洋酒店は天神の舞鶴にある洋酒専門店で、品揃えがとにかく豊富。レアな限定ボトルからボトラーズまで色々なウィスキーがあるお店です。そんな同店は今年で30周年だそうで記念ボトルが出ているのですが、そちらが今回有料試飲出来ました。キングスバリーのラフロイグ17年です。

少しオイリーでラフロイグらしいピーティーさ。まとまりもよくボディもしっかりしていてとても美味しい良品でした。正直買っても良いと思えるボトルだったのですが、自分のストックにピート系が増えすぎているので今回は購入は見送り。代わりに、試飲したもう一つのウィスキーファインド(確か台湾のボトラーズ?)のクライヌリッシュ19年を購入です。

ウィスキーフープのブースもありました。
このブログでもちょいちょい出てますが、良質なウィスキーを適正な価格で飲んでもらう事を運営目標にしている団体で、参加しているバーに行けば飲めます。個人的におススメしたい団体。

でも今回は軽く見ただけで素通りです。飲んだ事があるもの多いからですね。
また新作が出たらお世話になるかと思います。

ブースを回っていたら、アイルランドの新興蒸留所、グレンダロウを扱っているブースを発見。
グレンダロウというのは正直知らなかったのですが、行きつけのバーで最近アイリッシュにはまっているというお客さんがこちらの銘柄を飲んでみたいと仰ってたのを小耳に挟んでいたんですよね。まさかここで巡りあえるとは思わなかったので早速7年と13年をチョイス。

アイリッシュらしいトロリとした粘性の高くて甘い、桃のような感じの酒質です。
13年はその辺の特徴が際立っていて、美味しいです。美味しいんですけど、価格を聞くと13年で1万2千円くらいとの事で、ちょっとお高いかなという印象。アイリッシュが好きな人は一度バーとかで見かけたらチャレンジするのも良いかも知れません。


こちらはウィスク・イーさんのブース。
素敵なラインナップが揃ってますね。全部一杯ずつ飲んでみたいのですが身体が持ちません(^^;
最近飲んでいなかったドロナック1993と、29年のマッカランをチャレンジ。

ドロナックはパーラメントがコスパが良くて個人的な嗜好にもマッチしていて好きなのですが、こちらもシェリー感がよく出ていて美味しいですね。オイリーさはそれほどって感じですけど、甘めで飲みやすいです。

マスターオブモルトの29年マッカランはマッカランらしいシェリーの甘さ、香味のレンジも広くて美味しいです。ただ、8万円という価格と釣り合っているようには感じなかったというのが正直な印象。マッカランでこの年代なら高いのは仕方が無いのですけどね。

ちょっと心残りな印象だったので、グラントとオーヘントッシャンも後で試そうと思っていたのですが、グロッキーになってて無理でした(^^;


こちらはミルウォーキーズクラブさん。
今回のバーボンセミナーの白井氏のバーなのですが、調べてみたらなんと埼玉は川口からわざわざ参加されているようです。珍しいバーボンを中心に特級時代のボトルがズラリ。福岡では中々オールドバーボンを主体としたお店は見かけないので嬉しい出店です。オールドボトルを集めてる自分としては胸が躍るラインナップ(゚∀゚)

ここに来たのはバーボンのセミナーの後で、セミナーのオールドバーボンに満足していたものの、面白そうなものがまだあるのなら見てみない訳にはいきません。


色々目移りしちゃいますが、個人的にエヴァンウィリアムスの12年が現行のバーボンではコスパ的にも一番好みなのですが、そいつの23年特級なんてのを発見。早速試飲させて頂く事に。

現行品より全然オイリーで、バーボンらしいバナナのようなフルーツ感がハッキリ出ていて良い感じ。これは美味いですね。まぁ、最近の年代物バーボンの高騰の影響でコスパはかなり悪くなってしまいますが、一度は試してみて良いと思います。


そしてイーパワーさんのブースへ。
有料試飲は7本ですが、どれも興味が惹かれる内容ですね。ブナハーブンかハイランドパークかなぁ…と思ったら、インヴァーゴードンの43年物のグレーンウィスキーなるものが。ネットで好評だった記憶はあるのですが、飲んだ事が無いので早速チョイス。

興味本位で試飲したグレーンウィスキーですが、これが想像以上に美味しい。ウッディさや甘さが複雑なテクスチャなのですが、しかし主張が強過ぎる訳でもない程よいバランス。即購入決定でした。長熟グレーンも侮れませんねぇ('ー`)

他にも天領日田洋酒博物館さんのウィスキー関連の雑貨や、信濃屋さんのブースなんかもありましたが写真撮り忘れてました(´・ω・`) 


次に上の階の本会場へ。
本会場の方は酒販やメーカー、軽食の販売などで、初心者さんはこちらからどうぞって感じですね。


サントリーのブースなのにジャパニーズが知多だけでした。でも無料試飲なせいか結構飲まれてますね。

オールドバーボン続きだったので何となくメーカーズマーク46飲んでみましたが、これも結構美味しいですね。バーボン好きなら普段飲みに良いかもしれません。





こちらはウィスキーラバーズ名古屋実行委員会さんのブース。
名古屋のイベントは大盛況だったと聞きますが、今回わざわざ名古屋からご足労頂いたようです。ありがたや('-'

右端のスリーリバースの95年ギリーは凄く美味しかったのですが、既に売り切れ・・・
6本だけ持ってきてたそうですが、即完売だったそうです。情報掴んでた人がすぐに買われたんでしょうか。ギリーは最近人気高いですよね。


オールドバーボンのブースもありました。後ろの1795と書かれたものは富裕者層向けのジムビーム8年だそうで、貯蔵庫の上層階で熟成が良く進む場所の樽を厳選した一品との事。そういう話は聞いた事あったのでどんなものかと面白そうだから試してみました。美味しいですが期待したほどじゃないかなぁと言う感想でしたw

しかし酔っ払ってるとダメですね。
帰ってから写真を改めて見たらオールドウェラーアンティークの古いボトルが目の前に転がってるじゃないですか(^^; こっち飲むべきだったなぁと。まぁ、また機会があればいずれ。

他にも本坊酒造さんや笹の川さん、ベンチャーウィスキーさんなんかのブースもこちらでしたね。最近はジャパニーズよりスコッチ、バーボンに傾倒してるんでちょっと覗いただけでした。

本会場は軽食のブースもちょいちょいありました。
こちらは毎年恒例のスコットランドの名物ハギスですね。


サルシッチャっていう肉厚のソーセージやパテ


飲めない人向けにノンアルコールカクテルのブースもちゃんと用意されているのが良いですね:)


ウォーターサーバーも所々に配備されてて細かい配慮がちゃんと出来ているイベントって印象でした。


とまぁ、イベントの概略は以上のような感じでしょうか。

で、毎年色々な講師の方がウィスキーを交えてセミナーを開催しているのですが、今年はミルウォーキーズクラブの白井慎一氏を迎えてのバーボンセミナーの方に参加しました。


最近のバーボン市場の動向と、とりあえずオールド飲んで楽しんでください的な趣旨のセミナーです。レアなバーボンをハーフくらいですが一杯ずつ飲ませていただきました。正直、このセミナーの価格で飲めるウィスキーじゃないですね。太っ腹すぎるラインナップでした('-'; 素晴らしい経験をさせていただきました。感謝感謝。

メインは以下の5本


オールドフィッツジェラルド12年
ベリーベリーオールドな方のフィッツジェラルドです('ー'
フィッツジェラルドと言えば、小麦を使った飲みやすい酒質で有名です。こちらは最近の(といってもフィッツジェラルドは無くなりましたが)ヘブンヒル蒸留所よりも以前の、スティッツェル・ウェラー(Stitzel Weller)蒸留所が原酒のフィッツジェラルドですね。バナナっぽい感じですが、芯が強いどっしりとした酒質では無く軽めで爽やかな印象です。素直に美味いです。


ベリーオールドセントニック。
年数忘れました。12年じゃないかなぁと。アルコールっぽさが強く出てる印象でしたが、これだけの年代物でこのアルコール感も改めて考えたら凄い事です。スコッチのブレンデッドのオールドだとアルコールが抜けて水っぽくなってる代物も結構ありますから。


オールドグロームス12年。
古いですね、コレ。別ラベルの特級なら見たことありますが、革張りのラベルでこんなの見たこと無いです。香りも良く開いていて南国フルーツ感も感じられレンジも広い。今回の5つの中だとダントツに美味かったです。12年でもこれだけの物があるのか、と思わされました。


パピー・ヴァン・ウィンクル20年 ファミリー・リザーブ
20年物を超えるバーボンは相当高値が付くそうで、このボトル(開封済み半分くらい)でも、本国だと10万は下らないそうです。


そしてヴァージンの21年。色が濃いのなんの…w
このボトルは味よりも香りの方が気に入りました。際立って心地よい甘い香りがします。

サブのプラカップにはこちらの三本。ミルウォーキーのオリジナルバーボンはセミナー参加者向けに少量販売されました。アメリカの原酒を秩父の蒸留所で詰めて寝かせた奴とかって話だったかな?中央はオールドテイラーの70年代後半のボトルです。メープルっぽさがよく出てて美味しかったです。


1990年から2000年くらいでは、日本ではこういったオールドバーボンが破格で売られていたそうです。

経済黒字になっていた日本は、アメリカから色々と買い付けて欲しいと要請があり、それを受けて当時アメリカであまり売れていなかったオールドバーボンを商社が買い取り日本へ流す、と言う流れが出来ていたのだそう。しかし日本の商社も酒類の取り扱いには疎いから関連会社へ横流し、当時のお酒の価格破壊やドラッグストアの進出などの御時勢にあいまって、二束三文で売られていたそうです。

2000年初頭にオールドバーボンが破格で売られていたのは知っていましたが、経緯までは知らなかったので成程なぁって感じですね。

他にも新規蒸留所(マイクロ蒸留所)の話もありました。
やはり海千山千、まだまだ未熟な蒸留所ばかりで価格も高価。今から本当に良い蒸留所だけが残って淘汰されていく時代になるだろうとの事。

最後に個人的に白井氏に直接お話を伺って、バーボンのオールドボトルの蒸留所の見極め方、参考資料等を聞いてみたのですが、やはり難しいとの返答でした。

以前にも日記に書きましたが、アメリカはラベルの権利の売買が発達したせいで、歴史を謳っていても全然関係が無い蒸留所が作っていたり、存在しない蒸留所がラベルに表記されているなんて事もあり、オールドバーボンの出どころを調べるのは難しいとされています。

白井氏も色々調べてみて、確からしい情報はある程度あるものの、本当に分からないレベルになると現地の人間ですらどうなっているのか分からないと言われるレベルとの事(^^;
自分が以前聞いたボトルでの見極め(形状やシール・スリガラス等の差異)は有効だという事と、ボトルに住所が書かれている場合は住所で調べる(例えばヘンリーマッケンナはヘブンヒルとフォアローゼスの両方で作られているケースがあるが、これらは住所で判別が出来る)などなど…。


イベントのレポートはざっとこんな感じでしょうか。こんな感じで一日かけてウィスキーを楽しんできました。福岡近県のウィスキー好きの方はおススメなイベントですよ:)

0 件のコメント:

コメントを投稿