2019年7月29日月曜日

Black Dog 12年


Black Dog 12yo
75点

オールドシェリーのような甘い糖蜜の香り、バニラのウエハース、程よいピート香。
口に含むとピリピリ感が強い、蜂蜜のような甘さ。余韻はあまり続かない。

インドウイスキーとあって全く期待していなかったが、割と普通に美味しいレベルのオールドテイストなスコッチ。正直、年代判定は難しいところだが、味から察するに90年代くらいの準オールドな時代のスコッチな味に近い印象。


インドはイギリスの植民地時代の頃からウイスキーの蒸留技術が伝来されていて、非常に多くの蒸留所があります。その数はスコットランドに次いで世界第二位と言うレベル。インド国内における輸入ウイスキーの関税が高いことなどの理由から、インドウイスキーの多くはインド国内で消費されてしまいますが、それでもウイスキーの消費量だけならインドは世界一なんですよね。

「海外の酒が不当に高い」というインドの現状は酒税法改正の前の日本と似ているような気がします。当時の日本におけるジョニ黒と同じように、恐らくBlack Dogは本場の高級ウイスキーと言った扱いでしょうか。

そんなBlack DogはDiageo社の関連会社USL社が作るブレンデッドのスコッチウイスキーです。輸入スコッチをなるべく税金をかけない形で輸入してブレンドして商品として売られているもの。現地のウイスキーと一線を画した、本物のウイスキーといった意味合いの商品のようですね。

今回のBlack Dogはネットで比較的安価で買えたものですが、中身は丸々スコッチなのでそれなりに美味しいですし、ボトルもプラキャップなのでそこまで失敗しないと思います。安いと思ったら購入してみるのもアリかもしれません。

ちなみに、インドにおいてウイスキーの多くは廃糖蜜をベースにした蒸留酒で、法的には熟成の必要も無いというザル定義です。そんな訳でEUでもインド産の多くのウイスキーをウイスキーという名前で販売出来ないようにしている・・・という位には微妙な代物です。まぁ安いラムと同じですからね。ただ、そんな中でも幾つかの蒸留所はしっかりとしたモルトベースのウイスキーを作っていると言う事なので、いつか機会があればそういったインド産ウイスキーを飲んでみたいところですね。

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