2018年11月5日月曜日

サントリー エクセレンス 90年代以降


Suntory Excellence
78点

トップノートは黒糖、麦っぽさ、口に含むと辛さが強く若干のスモークが後を追う。
若干のフルーツ要素も感じられ、バランスよくまとめられた一品。


サントリーのエクセレンスです。
そういえば自分の常飲ボトルだったのにブログに書いてなかったなと思い至ったのでまとめる事にしました。

近代の日本のウイスキーの流れとして、1962年での酒税法改正で「雑酒」表記が廃止されて「ウイスキー」表記へと変わり、1971年に洋酒の輸入自由化が起きた際に、洋酒ブームになりました。エクセレンスは当時の輸入洋酒に対抗するべく、サントリーの全力を尽くした「超高級ウイスキー」として販売されたものでした。当時はハクをつけるためか、皇室献上用を謳ったものもあったようですね。

販売当初は8000円程度だったそうですが、1971年当時のサラリーマンの平均年収は100万円程度という前提を踏まえれば、どれだけ高級なお酒だったか分かります。その後、日本は経済成長を続け、サラリーマンの年収は1980年には300万円、1990年には400万円を超えていきます。その間、エクセレンスの価格は変動せず、むしろ89年の酒税法改正(特級表記廃止)のタイミングで5000円に値段が下がり、超高級ウイスキーからお歳暮商品レベルの庶民の高額贈答品レベルにまで落ち着いていきました。こういった変遷は、バーカウンターの上段ど真ん中にあった憧れの酒が、10年後には自分へのご褒美として手元に届いて飲めるようになる…という流れだったのでしょうね。

そういった変遷の中、89年の酒税法改正の時期くらいからサントリーの高級ウイスキーの世代交代があり、エクセレンスはバブル時代の憧れとしての役割を終え、2004年にひっそりと終売になりました。

今回のボトルは特級表記ではないため、90年から終売時までの間の一品ですが、オールドボトルのスコッチに感じられるような黒糖っぽい要素がより強く感じられ、同時期のお歳暮ライバルのローヤル12年などと比べると、よりスコッチを意識しているのかな?という印象を感じます。まぁローヤルとの違いは好みになるし、気分で飲み分ければ良い程度の差でしかないと思います。

何よりも手ごろな値段というのがうれしい所w
以前にも書きましたが、常飲ボトルはなるべくお財布に優しく済ませたい所です。その点で言えば、サントリーやニッカのお歳暮商戦でのウイスキーは球数が多いためか値段も手ごろで品質も悪くない物が多くておススメです。ディスプレイする手前、横置きでコルクに使って味が悪くなっているのも(あるにはありますが)そこまで多くない印象ですしね。

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