2016年12月31日土曜日

ショートムテル 100年


Calvados Chort-Mutel Imperatrice Eugenie 100yo

ブランデーを思わせるような濃くて複雑な香り。口に含むとコニャックのような複雑な口当たり、リンゴ由来の酸味。最初は分からなかったが、少しずつリンゴやキイチゴのような風味が表に出てくる。余韻は長くオイリーで、香りがずっとグラスに残る。

今年最後の記事はウィスキーではなくカルヴァドスです('ー'
カルヴァドスはフランス、ノルマンディー地方の特産品。ぶどうの栽培に適していなかった同地方においては、リンゴを用いたシードル、さらにその蒸留酒であるカルヴァドスが造られるようになった訳ですね。さらに同地方は同時に世界大戦での激戦地でもある為、年代物の古酒は貴重ともされているそうです。

そんなカルヴァドスですが、ウィスキーやワイン程までは高値にならない傾向があります。やはりこのお酒の文化圏がキリスト教圏だからかもしれません。キリスト教においてキリストの血と例えられているのがワイン、一方で神の意志に反して人類に知恵を与える結果になった禁断の果実がリンゴに例えられていますから、リンゴは人類の罪の象徴のように扱われる代物ですからね。

まぁ、おかげで今回の100年物なんていう凄い年代物でも、自分が飲んでみようと思える程度の価格になっているのはありがたいことです。美味ければ罪だろうが何だろうが良いんです('-'*
とはいえさすがにそれなりのお値段でした。まぁ今回試したのは単純に「100年物を飲んだ男になりたい」と言うクダラナイ理由もあったから良いのですがw

今回のカルヴァドスは、既に閉鎖されてしまったショートムテルのImperatrice Eugenie。年代記載がされている蒸留酒の中で100年と言う数字を明らかにしているものは恐らく他に無いんじゃないでしょうか。
http://www.calvados.de/product_info.php/info/p1042_Calvados-Chort-Mutel-Imperatrice-Eugenie-100-years.html

そんな激レアな一品ですが、個人的な感想としては、「うーん、こんな感じなのか」といったところ。
とてもレベルの高い酒だというのは分かるのですが、100年と言う数字からもう少し違う方向性になるのかと期待していたので、その点では期待外れでした。

昔、ラジオ番組Avantiで、葉加瀬太郎氏が50年物のマッカランを飲んだ時、「麦から出来ているとは到底思えない、全く別次元の物になっていた、50年と言う熟成がこうさせたのだと思う」と感動を伝えていたのを覚えています。そんな感じなので、今回もリンゴではない何かになっているのかなぁと思ったのですが、カルヴァドスだというのが分かる程度ではありましたw

今回の一品で、自分は繊細なものよりも分かりやすく骨太な一品の方が好みなのかもしれないと思いました。自分の方向性が分かった意味でも良い経験になったと思います:)

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